「自分の社長のイメージと違った」
先週の新潟大学での講演時( 90通目 )のアンケートを見ることができました。概ね満足してもらえたようで、時間をかけて準備した甲斐がありました。このような講演時の資料を作り込んでおくと、次回同様の企画をお願いされた際に使い回せるところが出てくるため、無理して取り組んで正解でした。
自由記述が多いアンケートで「自分の社長のイメージと違った」という回答が複数ありました。よく言えば大胆で悪く言えば傲慢なイメージが社長にはあるようで(普通そうだとは思います)、私は誠実で謙虚であり続けることを理想としているため、大きな乖離があったようでした。前者のようなイメージの社長ほどメディアで取り上げられ目立つことが多くありますが、下から支え続けるような社長でも良いんだということを学生に伝えられる良い機会となりました。
「次年度もぜひお願いしたい」という回答があり、嬉しくなりました。単発で終えずに、次年度以降も講演の機会があることを望みます。
心を平静に保つ”不動心”
今週は、突然酷い言葉を言われる場面が2度もあり、悲しい気持ちになりました。2回とも年上の方で、世代の違いもあるのかもしれませんが、私の立場で声を荒げて反発してしまうと問題が大きくなるため、堪えて受け流すことにしました。「多くの人はいつも不機嫌なんだ」と思ってやり過ごすことにしています。
週末、読んでいたギリシャ文学の本「その男ゾルバ」で、『日本人の素晴らしいところは不動心があるところだ』という内容が出てきました。不動心、あまり聴き馴染みのない言葉でしたが、今の自分にはこの心が重要そうです。良いタイミングで良い本を手に取れました。
不動心、良い言葉ですね。意識することにしてみます。
断食ならぬ”断銭”
最近、月に一度だけお金を一切使わない日を過ごしています。ネットで何でも買えてしまう昨今、丸一日お金を使わない1日を作ることは案外難しいです。amazonで日用品を買ったり、有料の映画を配信で借りたり、服を買ったり、新しいサービスを有料で登録してみたり。うっかりお金を使おうとする際に、自分のお金を使うクセに気がつくことができます。
お金を使わないことを決めると、選択肢が減り、思考が研ぎ澄まされます。積読してしまっていた本に意識が向いたり、家にある食材を使い切ったり、あるもので代用できることに気がついたり。断銭は、節約目的でなくとも普段の生活の中で新しい楽しみを見出すことができます。
今週の写真
東京都写真美術館で「現在地のまなざし」展を観た際の写真です。もう一つの企画展「アレック・ソス 部屋についての部屋」を見るついでに見てきました。
複数の写真家の中で印象に残ったのは、かんのさゆりさんの作品です。開かれた土地の工事現場や新築の家など、妙に印象に残る生活感のない風景の写真群は、震災後の仙台近郊の風景を中心に撮影されています( 別の展示の解説クロストークで記載がありました )。
震災後の住宅地の量産型の工業製品としての家をうまく収めていて、画一的な見た目の家の側面が並ぶ街には人の気配がなく、空虚な気持ちにさせる素晴らしい作品でした。震災後の影響の新しい側面を知ることができます。
先日、美を追求し続けている尊敬するデザイナーの先輩から、美術作品の見方として「対話型鑑賞」を教えてもらいました。対話型鑑賞法の手順の一つ目として、「じっくり作品を見る」ということがあります。基本的に私は一人で作品を見ることが多いのですが、今回初めて、一つの作品の目の前で5分を測って見続けてみました。 withingsの腕時計で音を出さずに時間を測っています。
「この写っている方と写真家の関係は?」「ここはどこ?」「撮影したのは何時?」など、とにかく目の前にある作品について考え続けます。被写体の衣装やガラスへの写り込みなど、5分をかけないと気がつけないものが山ほど出てきて、一瞬で5分が経ちました。
対話しなくとも、「気になった美術作品の目の前で5分過ごしてみる」だけで、美術鑑賞の楽しさが倍増しました。一つの作品の印象を強烈に残すことができます。みなさんも次に美術館に行く際は、試してみてください。
今週の音楽
Love or Die - Susumu Yokota
ビョークやレディオヘッドなどにも影響を与えた(とwikipediaで言われている)世界的な天才テクノミュージシャンの日本人、ススムヨコタのアルバムから一枚を選びました。多作な方で、wikipediaに記載があるだけでも40枚以上のアルバムをリリースしています。私も多くを聞いたつもりでいましたが、3分の1程でした。
純粋なテクノ音楽を作り続けた天才のアルバムはどれも良いです。一時期は Grinning cat を聴き続けていたり、全編3拍子でできたテクノの異色作 Triple Time Dance を聴いていたりしました。全アルバム配信してほしいなあ。
今週のアプリ
nintendo music ( iOS Android )
任天堂の音楽アプリです。多くの人が取り上げているものなので深くは書きませんが、「長さチェンジ」が革命的でした。何がすごいかというと、この機能、セ⚪︎もカ⚪︎コンもス⚪︎エアエニックスも出せるのに、一番最初に最高の品質で出せる任天堂が凄いです。本当に素晴らしい会社だと思います。59通目で紹介したデビッドワイズの曲も聴けて楽しんでいます。
横田進のことを久々に調べていて、不動心を持つエピソードに出会いました。
「ヨコタはいっさい表情を変えなかった」と同席したイギリス人が感心したものだった
イケてる日本人は不動心があるのかもしれないです。
上の記事の一番最後に貼り付けてある曲が、今回おすすめしている Love or Dieの曲で嬉しくなりました。やっぱりこのアルバムがいいです。おやすみなさい!