96. Decimation Of I

第一子が無事に産まれました。

Dec 29, 2024

今週は仕事を最低限にとどめ（面接、賞与、人事など）、嫁の出産に付き添いました。

無事に第一子となる娘が産まれたのですが、低血糖の症状ですぐに別の病院に入院することとなり、一緒に救急車で移動しました。娘は命に別状はなく元気ですが、しばらく入院となり、私は自宅と病院を往復することになりそうです。

人生初体験の救急車の中で、娘を囲みながら救急隊員と看護師と長くお話する時間がありました。話の流れで仕方なく自分の仕事や役割を話したら、「ああ… だからとても落ち着いているんですね… すごく納得しました」と言われ、日々の仕事に急な不条理が多すぎて感覚が麻痺していることを改めて認識しました。産まれたばかりの子供が突然救急車に乗せられてしまうと、その場で泣き崩れる人や、「なんで私の子供が！」と一人で怒り出す人など、様々な形で取り乱す方がいるようです。そんな中、私の場合は「ああ、まあ心配だけどプロが担当しているから大丈夫だろう、自分が判断できることはないから邪魔にならないよう黙っていよう」という気持ちで同行していました。

日々の急な不条理の出来事にいちいち感情を揺さぶられていたら死んでしまうし、判断はいつも体力を使うので判断のいらない状況には省エネルギーでいきたい気持ちが出ていたようです。良いのか悪いのか… 看護師に迷惑をかけずに済んだので、良かったこととします。

今週の写真

府中市美術館で開かれている展示「小西真奈 Wherever」を見た際の写真です。

展示されている作品の順番が良い展示でした。最新の作品から昔の作品へ、時間を遡るように見ることができます。最新の作品は書き込み度合いが少なく軽やかな印象で、その後に昔の作品を見ると緻密な書き込みに驚きます。あとでもう一度最新のものを見直すと、色の使い方やモチーフの取り方はあまり変わらずに、少ない書き込みで正確に描写できる力に圧倒されます。最新の作品にはキャンバスの白地が一部見えているものもありました。歳をとるにつれ書き込みが減り、作品が洗練されていくので、晩年には長谷川等伯くらいの余白になると面白そうだなと思いながら見ていました。

子育てで美術館に行ける回数が減ると思うと残念で仕方ないですが、適度に両立を目指して行きたいと思います。大きくなったら連れて行けると良いなあ。

今週の音楽

Meemo Comma - Decimation Of I

μ-ziq（ 65通目）の妻であるMeemo Comma ミーモコンマの5thアルバムです。フルートから始まる1曲目が印象的なこのアルバムは、全体的に不安で不気味にさせるような、美しい音が続きます。アンビエントのようなモダンなクラシックのようなこのアルバムは、他にはない唯一無二の音楽として楽しませてくれます。海外で「アルバムオブザイヤー2024」に挙げているメディアもありました。気持ちはわかる。

ミーモコンマは作風が幅広く、他と聴き比べるとより楽しめます。3rdアルバムはエヴァンゲリオン、1stアルバムは攻殻機動隊に深く影響を受けています。日本のアニメの影響力は恐ろしい。4thアルバムのLoverBoyは全然雰囲気が異なり、90年代のダンスミュージックのエッセンスが散りばめられています。

今週のアプリ

銚子丸 ( iOS Android )

手前味噌ですみませんが（自社が手掛けています）、どうしてもいつか言いたかった機能が、上の画面の灰色の吹き出しに映る「前回のログイン情報を表示する」機能です。

読者のみなさま、このような画面に困らされたことはないでしょうか。
「あれ、私どのアカウントでログインしていたかな..」

Facebookでログインしていた時期があったり、途中からAppleにしたり。久しぶりに使おうと思ったら認証が切れてログアウトされてしまい、久しぶりにログインしようとした時にこの画面がでてきたらストレスは想像に難くないと思います。いちいち覚えるのは不可能ですよね。今回紹介する銚子丸のアプリの「前回のログイン情報を表示する」機能は、上のストレスをなくして、良いアプリの７ヶ条の６番「教わらなくても使える」を満たす、最高の機能だと考えています。

私はいまだに大型のプロジェクトのレビューをしていますが（月に一回15分ですが）、その際に社員にお願いして実装した機能の一つです。きっと誰かを助けることができたのではないかと信じています。

今週の映画

戦場のメリークリスマス（1983年）10点中10点
シビルウォー（2024年）10点中4点

戦場のメリークリスマスは何も文句なし。2回目でも最高に楽しめました。坂本龍一が曲もいいし俳優としても良すぎます。奇跡のような映画です。
シビルウォーはオススメされてみましたが、私にはあまり良さがわかりませんでした。最後がベタすぎて面白みがありませんでした。途中の赤いサングラスの軍人のシーンは適度な緊張感があり良かったです。

子供と引越しでバタバタしているので、2024年の振り返りは次の週にします。
みなさま良いお年を。