勉強会「Sanctuary’s」
毎週日曜日の夜に、有志のメンバー数人で「交代でゲストを呼び、その人の仕事や生き様についてお話してもらい、質疑応答を行う」というオンラインの勉強会「Sanctuary’s」を続けています。時間帯や長さは何度か調整し、今は21:30〜22:45の1時間15分で開催しています。メンバーは何度か入れ替わり、今は7名のメインメンバー+ゲストで続けています。
もともと私もゲストとして呼んでもらい、そこからホスト側として参加するようになり、今では主催者の一人として続けるようになりました。普段知り合わないような方のお話を聞くことができ、コロナ禍に知見と人脈を増やせる貴重な機会となりました。私もゲストに先輩や友人、会社の同僚に取引先の方まで、さまざまな方を呼んできています。
損得のないプロジェクトを続ける秘訣
私が勉強会に参加し始めてから、あと少しで4年になります。
ここまで長く継続できている仕事外のプロジェクトも珍しいのではないでしょうか。この勉強会のような損得が発生しない、つまりお金のやり取りがないプロジェクトを継続させる一番の秘訣は、「絶対に遅刻しないし休まない奴がいる」こと。それに尽きると思っています。仕事ではないと、どうしてもドタキャンしたくなりますし、家庭の事情や友達を優先したくなりがちです。それでも、「毎回参加すれば少なくともあいつはいる」と思わせてくれる奴が一人でもいれば、メンバーの安心感に繋がり、参加率が上がると考えています。
私は、余程のことがない限り、勉強会に遅刻せず参加をしています。正直なところ、毎週日曜日の夜に1時間15分、遅刻せずに参加をすることは相当難易度が高いです。それでも、何とか気合いで、4年近く継続することができました。何かのプロジェクトを継続したいときには、参加するときに、絶対に休まず参加する覚悟が持てるかどうかを考えることが一番重要かもしれません。
勉強会のメンバーとは毎週のように話しているので非常に仲良くなれました。社会人になってから、所属する会社とは別の世界で作れる新たなコミュニティは非常に貴重です。今後も継続していけるよう努めます。
今週の写真
写真家の土田凌さんの写真展「LALE」を見に行った際の写真です。土田さんとは以前一度だけ仕事でご一緒したことがあり、現場で軽くお会いしただけでしたが、写真の質が非常に高く印象に残っていて、今回初写真集を出す個展ということで見に行きました。写真集はこちらから購入できます。被写体の選び方や切り取り方は、同じような世代ではあまり類を見ないほどの質の高さです。こんな逆さチューリップの写真、見たことない。足を動かすことも写真家の腕の見せ所だと思っているので、遠く離れた土地のさらに向こうまで撮影に行く土田さんの行動力に惹かれます。
ご一緒したときの仕事の写真は、ウェブでの公開がもう終了してしまったようです。スクリーンショットを残しておけばよかったです。残念。
今週の本
夜と霧
社員におすすめされて読みました。強制収容所に入れられたユダヤ人の精神科医が書いた本です。映画「シンドラーのリスト( 78通目 )」よりも酷くて生々しい状況で、どのような心理状況に置かれるのかを知ることができる本です。
語り尽くされている本ですが、特に強く印象に残ったのは「過去は誰にも奪えない」ということ。目に見えるものほぼ全てを奪われた極限状態でも、経験した過去は奪われない。コロナ禍で楽しい経験を得る機会を奪われてしまった若い社員を思い浮かべて読んでいました。後で思い出せるような、幸せな経験を提供してあげられるようにしてあげないと。
今週の音楽
Polygonia - Otro Mundo
ドイツ・ミュンヘン出身のLindsey Wangによるソロプロジェクト、ポリゴニア。どのアルバムも最高に良いアーティストで、その中でもおすすめなのがOtro Mundo(スペイン語で「別の世界」)。歌が入るのは一曲めだけで、しなやかで有機的でトリップできる硬めのミニマルテクノや、トライバルチックな音が続きます。
今週のアプリ
streaks ( iOSのみ Androidに似たものがありますがおそらく偽物です )
2016年のアップルデザインアワードに選ばれたアプリです。小さな習慣を続けることを助けてくれるtodoリストを作ることができます。このアプリは独自のUIで古くなりにくく、2024年の今でも洗練されているように見えます。
何かを継続したいときは、数分で終わるような小さなタスクに分解すると続きやすいですが、このアプリでは多くの情報を一つのタスクに含められないため、強制的に続きやすくなります。
何かの習慣を作りたい方におすすめです。私は毎日「水を飲む」「写真を撮る」「趣味のプロジェクトを5分進める」「日記を3行で書く」など、本当に小さな習慣づくりに使っています。
今週の映画
ファーゴ(1996年) 10点中10点
オブリビオン(2013年) 10点中2点
ファーゴはコーエン兄弟の名作と呼ばれている映画です。もともと好きでしたが見直しました。やっぱり良かった。雪の使い方が上手くて絵がとても綺麗。最後の木材粉砕機のシーンは雪があってこそ映える。
コーエン兄弟は映画をキリスト教になぞらえて全てを作り込む監督であることは深読探偵のお陰で知りましたが、ファーゴは解説がありません。少しだけ自分で考えてみたところ、すごいことに気がつきました。
ファーゴ(Fargo)のタイトルは似た発音の単語「Phago」に由来しています。絶対。軽く検索したところ、世界でまだ誰も気がついてなさそう。
Wikipediaに「タイトルは面白そうだからFargoにした」と書かれていますが、コーエン兄弟がそんなことをする訳がない。似た発音の「Phago」は食べるの意味で、聖書の中で使われています。該当するのはヨハネの福音書。ヨハネの福音書は「初めに言があった。」という有名なフレーズで始まる章で、たしかに映画も不思議な嘘の言葉(実話ではないのに実話と言ってしまう)から始まります。無駄に食べるシーンも多くPhagoを想起させるし、羊を表すshepという人間を捕まえに行くと雇用者が逃げ出すところは、聖書の表現と全く一緒です。時間が無限にあるなら調べ尽くしたい。コーエン兄弟恐るべし。
明日は株主総会の準備をします。がんばろ。
おやすみなさい!