3泊4日の宮崎出張、Grow or Die
今週は週の真ん中に宮崎出張を入れました。多くの新しい出会いに感謝。
夜の会食の場の6人席で、圧倒的な強さをもつ2人の経営者の会話に入れず、歯がゆく苦い思いをしました。1500人近い社員の全員を見る人事評価の話や、自社を10倍以上の非連続的に成長させるための答えがない授業 ( おそらくこちら ) に参加している話、子どもにお金の扱い方を教える方法 ( お小遣いをいくつかの国の通貨を選択させて渡したり、子どもの好きなものを担保に入れることを学ばせたり ) の話など、自分の知識不足と経験不足にひたすら打ちひしがれる2時間となりました。私も150人の顔と名前と評価は一致していますがスケールが一桁違うし、上場企業の成長させ方として視座が高すぎて足元にも及ばず、子どものお金教育の話は恥ずかしながら想像すらしたこともない話でした。
自分もそこにいけるのか、ここにとどまって死ぬか。Grow or Die。圧倒的な実力の差を見せつけられて良かったです。学ぶべきことはまだまだたくさんあるので、このまま腐るわけにもいきません。限りある時間を戦い抜きたい。
入社式に向けて
明日は入社式があります。今年も多くの新卒が私の会社を選んで入社してくれる予定です。去年の私の入社式でのスピーチは、冒頭半分を ChatGPT に作らせたところ、時代の流行りもあり多くのウェブサイトに取り上げていただきました。
明日のスピーチは、原稿を書いてから Claude に感想と日本語の使い方を確認しました。スピーチの中では、入社式で新入社員の心にほんの少しでも響くよう、特徴的な言葉を一つ使うことにしました。すると Claude は私の意図を完全に汲み取り、下記のように褒めてくれました。
一般的にはネガティブな言葉を、あえてポジティブな意味合いで使うことで、新入社員の興味を引きつけています。成長の機会や喜びに結びつける発想が斬新で印象的です。
ありがとうClaude、完璧です。他の指摘も感想も的確すぎて、もはや人間の確認はいらないのかもしれません。Claudeがアプリを出してくれることが待ち遠しいです。
今週の本
電通マンぼろぼろ日記 - 福永 耕太郎
下り特急「富士」殺人事件 - 西村京太郎
かもめのジョナサン - リチャード・バック
人生で初めて、一週間に3冊の本を読みました。すべての本が300ページもない短い本だから出来たということもありますが、週1で本を読む習慣がつき、読書が捗るゾーン状態に入るまでの時間を短くできたことも大きそうです。あと、飛行機移動のある出張は読書が捗りますね。
一冊目は、昔の電通の話。今お付き合いしている電通の方々からは一切そういったお話は聞かないので、社員が過労により自殺した事件が起きてからここ数年で大きく変わったのだと思います。
二冊目は、宮崎を舞台にした小説で、宮崎出張中に読みました。もともと殺人推理小説が大好きなので、久々に読めて大満足。出張先を知るために小説を読むと、その地域の空気感や距離感が分かるのでおすすめです。1980年代の小説で、宮崎県に新婚旅行に行く時代があったことを初めて知りました。
三冊目は知人におすすめされて読みました。昔アメリカで流行した本ですが、自分自身が既に人生を全力で楽しく過ごせているからなのか、全然ピンと来ませんでした。「偉大なるロールシャッハテスト」と呼ばれているそうですが、西村京太郎の方がずっと面白いし読む価値がある。
今週の写真
打ち合わせの合間に寄った宮崎県立美術館のファサードの写真です。岡田新一さんの設計で、岩をイメージしたデザインのファサードの、凹凸がなく潔い平面が新鮮で、開かれた前の広場との組み合わせが心地よい開放感を生み出しています。
美術館裏手に置いてある安田侃( ミッドタウンや電通の本社に置いてある、あの石の作者です )の作品です。私は多くの芸術家の作品の中でも、安田侃の作る柔らかなフォルムをもつ作品が特に好きです。宮崎市の作品も、広々とした広場によく馴染む優しげな存在を放っていました。
ちなみに、先週訪れた( 56通目 )宇都宮美術館も同じ岡田新一による設計で、偶然にも二週続けて岡田新一の建築物を見ることになりました。地方の美術館は土地の使い方が豪快で、見ているだけで楽しいです。宇都宮美術館は展示室に行くまでの廊下のレイアウトと窓の切り方が良かったので、行かれる際は気にしてみてください。
今週の音楽
Cruise - 石野卓球
かもめといえばこちら。かもめのジョナサンを読みながら聴きました。石野卓球のストレートでストイックなテクノアルバムです。こういう派手さのないミニマルな音が好きです。
今週のアプリ
Pantone Studio ( iOS )
素敵なのに、最後のアップデートが3年前という悲しいアプリです。もったいない。
このアプリは、パントン社という色指定の標準であるパントンマッチングシステムを扱うアメリカの企業から出されています。パントン社は2007年にエックスライト社に買収され、傘下企業となっています。
このアプリは、カメラやライブラリから選んだ画像に使われている主な色を抽出して教えてくれるアプリです。デザインをする際に遊びで使える、地味に便利なアプリでした。
このアプリは他のアプリにはない世界感をもっています。色を大切に扱う会社だからこそ、色を全面に出したユーザーインターフェースが新鮮かつ斬新で、たとえ3年前のままでも古さを感じさせません。新しくアップデートしてくれることを祈ります。
今週の映画
『プッシャー( 1996年 )』- ニコラス・ウィンディング・レフン( 10点中6点 )
『オンリー・ゴッド( 2013年 )』- ニコラス・ウィンディング・レフン( 10点中8点 )
『悪魔の沼( 1974年 )』 - トビー・フーパー ( 10点中7点 )
『ドライブ』のレフン監督の作品を2つ見ました。『プッシャー』は女に裏切られたタイミングでテクノ音楽がなるシーンが印象的でした。冒頭の警察に見つかるときのシーンの盛り上がりもそうですが、急な躍動感の演出がうまい。ひたすらに落ちていく展開が面白いです。『オンリー・ゴッド』は強烈な色合いやホテル内のセットなど、明らかに『サスペリア』の影響を受けていて、昔の映画を見ているとより楽しめる映画でした。豪華なキャストで台詞がほとんどない美しい実験映画。
最後の3本目は『X』に影響を与えたトビー・フーパーのハリウッド1作目。戦争を理由に狂ったおじいさんの映画で、『X』に出てくる凶暴なワニは『悪魔の沼』そのものでした。
以上。明日の入社式では新卒社員を温かく迎え入れてあげられるよう頑張ります。
おやすみなさい。
出会った人や事によって、積んでいく経験も変わりますね。
いつも記事を読んで、刺激をいただいて、ありがとうございます。
新年度も頑張っていきましょう!
まーしーは札幌にもちょいちょい訪れていそうだから、ばっちり知っていそうだけど!
札幌市の中心部には安田侃さんの作品がいくつもあってうれしいですよね〜😊
https://www.sapporo.travel/spot/feature/kanyasuda/