年始は青森旅行、45通目
年始早々に、青森旅行にいきました。目当ては八戸市美術館と十和田市現代美術館です。のんびり動きたく、少し長めに滞在しました。2023年に京セラ美術館に行ったときに西澤徹夫さんを知り、他の建築を見てみたくなり八戸市美術館にいきました。カーテンの扱い方が特徴的な美術館でした。
本当は雪の降り積もる白銀の景色が見たくて青森を選んだのですが、今年は暖冬で雪がほとんどなく、雪好きとしてはがっかりでした。
物々交換の本棚
年末に、社員が「物々交換の本棚」という企画を催してくれました。本が好きな有志が一人一冊本を持ち寄り、タイトルがわからないようにラッピングして、メッセージを書いて棚に入れる。代わりに、人の書いたメッセージを見て気になった1冊を手に取り、読んで感想を言い合うというものです。(東京蚤の市のイベントを元に企画したそうです)
私はsubstackの41通目で紹介した「日常」を包みました。そして、私が代わりに手に取った本のメッセージはこちら。
ちょっと不気味で、ずっとなんだか物悲しい。でもなんとも言えず良い読後感。独特の世界を味わいたい方へ。
この本を年始に読むことを楽しみにして、正月を迎えました。
本を介して社員と向き合う不思議な体験
ラッピングに包まれていた本は「猫を抱いて象と泳ぐ」。全く知らない作者と題名で、前情報が何もなく、ジャンルもわからないまま、とにかく楽しみで読み始めました。普段触れているジャンルと全く異なる小説で、冒頭から魅力的な内容に引き込まれ、最後は一気に読んでしまいました。たしかに「なんとも言えない良い読後感」があり、良い本に出会えたと強く感じました。この本を社員の誰がおすすめしてくれたのか、まだ分かりません。
自分の会社では毎月のように入社する社員もいれば、転職していく社員もいます。会社の規模が大きくなり、どんどん人数が増えていく中で、社員一人一人との関係も希薄になっていきます。拡大する上では仕方がないものだと日々自分に言い聞かせています。そんな状況の中でも、たった一つのメッセージ付きの本を介しただけで、この本を紹介してくれたまだ誰かわからない社員と、雇用する・されるだけの関係ではなく、人と人として向き合えた気がしました。大袈裟かもしれませんが、普段の様々なものをおすすめしてもらう時と違う気持ちになれたのは、読書という行為が労力が必要で、かつ紹介者が誰なのかわからず想像しながら読んだからかもしれません。
社員が増えると、その分素敵な趣味を持つ多様な社員が増えます。一人一人と関わる時間は減りますが、それでも関わり方を変えて、触れ合うことはできそうです。可能な限り、社員一人一人を1リソースとして数えるだけでなく、それぞれのメンバーを理解しようと努め続ける社長であり続けたい。そんな風に思えた年始の一週間でした。素敵な本を紹介してくれた社員と、素敵な企画を催してくれた社員に感謝します。
今週の本
チェスに触れてみたくなる一冊です。この著者の他の本も読んでみたくなりました。
今週の写真
十和田市現代美術館の塩田千春さんの作品を撮影した写真です。写真の船は十和田湖にあった古い船を利用しています。
十和田市現代美術館はサイトスペシフィックな作品が多く、見応えがありました。
今週の音楽
Himuro Yoshiteru - Transition
「Our Turn, Anytime」というアルバムを昔よく聞いていたHimuro Yoshiteruさんの、2023年の新譜です。ジャンルレスで素晴らしい電子音楽です。
今週のアプリ
Liskは分散型ブロックチェーンアプリケーションプラットフォームです。本部はスイスにあり、ドイツのベルリンを開発拠点としています。Liskは、2023年12月にメインネットをv4に移行しました。これに伴い、Macのアプリ、iOSのアプリ、Androidのアプリがアップデートしています。
今回紹介するアプリでは、保有しているLiskの量や、直近の取引履歴とその詳細が見られます。あくまでメインはMacのアプリであり、動きを見る専門のアプリとなっています。このアプリのいいところは、「Macのアプリでしかできない行為に対して、ボタンを用意している」ところです。具体的には「Send(Liskを他のアカウントに送付する)」ボタンが用意されていますが、押下すると「Liskを送る行為は複数のアカウントによる署名が必要で、この機能はMacのアプリでのみ提供されています > Macアプリを使う」という文章だけ出て来る画面に到達します。
通常なら、Macのアプリでしかできない機能は載せない方が良いです。しかし、仮想通貨のアプリとなると、仮想通貨の送付は普通用意されている思いつく必要な機能です。送付がどこからできるのか、一番わかりやすく教えるための機能として、「Send」ボタンが用意されています。遷移先に何もないと不快になることが普通ですが、このアプリの場合、『なぜアプリ内でできないか』と『どこならできるのか』が明確に示されているため、不快にならずにすみました。この作り方は新鮮で、私も大きな学びになりました。
Liskはドイツを開発拠点にしているだけあって(?)見た目もいいです。一番好きな仮想通貨です。
今週の映画
映画が大好きでそこそこの量を見ています。最近は武蔵美の公開している必見映画選179から少しずつ見たり、人からおすすめを聞いて見たりして楽しんでいます。こんな素晴らしいリストを公開してくれる武蔵美に感謝。リストの中のおすすめは、小津安二郎の「東京物語」。計算し尽くされた構図のオンパレードは最高過ぎるので映画好きには一度は見てもらいたいです(構図に気を取られて内容は覚えていません)。今年は、見た映画を備忘録がてら残していきます。
「Pearl」は映画好きな取引先の方に年末に教えてもらいました。前作の「x」と「pearl」を続けて鑑賞したら、最後の主人公の独白の怪演ぷりが凄まじくて目が離せず、余韻で寝られなくなりました。人生で好きな映画の10本に入ります、おすすめ。取引先の方に感謝しなきゃ。3部作の最後が楽しみで仕方がない。
おやすみなさい。
ぼくもミア・ゴスさんの演技に魅了されて『MaXXXine』を楽しみに待っています😊