北海道の浦幌よりお送りします、41通目
今週は、8泊9日の北海道出張に来ています。羽田→札幌→苫小牧→札幌→浦幌ときて、明日の早朝から釧路に移動します。一箇所に長期滞在することは好きですが、短い間隔で宿泊場所を変えるのは大変です。
北海道では、高専で二日間に渡りインキュベーションに関する講演をしてきました。会社の創業メンバーとのトークセッションを行い、「なぜ起業・経営者になりましたか?」「経営者への転身に不安はありましたか?」「企業経営、楽しいなと思うのはどんな時ですか?」などの質問や、生徒からの質問に対してその場で答えていきました。
最近では高専全体が起業を斡旋することに力を入れているのですが、ただ起業しろと言われてもイメージが付かないのは当然です。実際にそこそこの規模の会社に創業当時から携わる人間が、起業することの大変さや楽しさ、社長の仕事などの現実味のある話を伝えることが一番学生のためになると考え、今回の企画を組みました。終了後の学生の感想を見る限り、良い講演を行えただろうという手応えを感じました。
こうした取り組みはほぼ慈善事業ですが、学生にとって本当にためになる話を伝えることで、自社への長期的な採用への良い影響はもちろん、日本全体のIT教育の底上げになることを願って続けています。
今週の本
『まちやど』の紹介がされている本です。私は『宿泊客がオーナーとゆるい繋がりを持てる、地元のおすすめを教えてくれたり一緒に時間を過ごしたりすることができる、街に住んだように感じられるおしゃれな宿』が大好きで良く宿泊しているのですが、どうやらそれを『まちやど』と呼ぶそうです。
北海道浦幌町のまちやどのハハハホステルに宿泊している際に、居合わせた方と「こういう宿泊施設が好きなんですよね」と話したら、この本を教えてもらいました。自分が好きなものが言語化されて整理されており、まさにこれだと感じてその場で読み切りました(短いためすぐ読めます)。
今回の滞在では、まちやどにいた浦幌町の若手の町議会議員とお話しする機会があり、たまたま一年に一回の町議会一般質問があると聞いたので傍聴してみました。このまちやどがなければ、縁もゆかりもない4000人程度の町民が住む町議会に参加して、北海道の一地方で若手の町議会議員が高齢者むけ給食サービスの維持と改善に尽力していることも知ることはありませんでした。
また、この本をおすすめしてくれた方をお誘いし、二人で昼食を食べにいきました。私の仕事を何も知らない、初めて出会う人との会話で「いつか住む場所は山と海、どちらが大事ですか?」と聞かれました。「山」か「海」かだなんて考えたこともなく、仕事の背景なしに取るコミュニケーションは新鮮そのものです。尋ねた本人からしたらなんということのない質問かもしれませんが、住む場所を選んで生きている日常を強く感じられた滞在でした。
“本来出会わなかったはずの人”とつながったとき、日常という世界は一気に広がり始める。
普通の旅行が物足りなくなった方におすすめの一冊です。私の好きな「まちやど」に、泊まるきっかけになるかもしれません。
今週の写真
いまsubstackを書いている環境です。浦幌のまちやど、ハハハホステルの一室です。
そして今いる浦幌の景色です。良い時間に撮影できました。
今週の音楽
Early Water - Manuel Gottsching、Michael Hoenig
Manuel Gottsching (マニュエルゲッチング)とMichael Hoienigの共作アルバムです。札幌のセレクトショップの一つでたまたまこのコートを見つけて「うわー!マニュエルゲッチングのE2-E4じゃん!」と喜んだものの、値段を見て驚愕。誰が着るんやねんと。0ひとつ減らしてほしい。
上のコートを見かけてから久々に「E2-E4」を聴き、ふと他のアルバム聞いたことないなと思い調べて見つけたのがこのアルバム「Early Water」でした。伝説級の名盤「E2-E4」と同様、こちらもアルバムタイトルの一曲のみの構成で40分。E2-E4より良いまである、もっと早く知りたかったです超オススメ。コートをデザインしたundercoverに感謝。
今週のアプリ
40号でお伝えした Flighty 、今週の北海道出張で飛行機に乗る機会があり実際に使ってみました。iOSの機能をフル活用したアプリということは理解していましたが、dynamic islandの使い方が秀逸でした。到着時間が近くなると入場ゲートと飛行時刻が表示されます。常に飛行時間を気にする空港での過ごし方に最適化されたアプリとして、これ以上のものはありません。課金も「pay as you go(その都度支払い)」プランがあり、課金の仕方までさまざまな渡航者のパターンに合わせて用意されていました。今後飛行機を利用する機会がある方には全力でおすすめできる素晴らしいアプリです。
探す ( iOSのみ )
Apple公式から出ているアプリです。前進のアプリである「iPhoneを探す」アプリと「友達を探す」アプリの機能が一つになり、2019年に発表されました。前進の「iPhoneを探す」アプリのリリース日はなんと2010年6月であるため、別アプリではあるものの、13年も使われ続けている機能を持ったアプリとなっています。2021年にはAppleの純正品であるAirTagにも対応するようになりました。
私個人の体験では、バタバタしていた出張時、スーツケースをレストランに忘れてしまい、新幹線に乗りかけた際に通知が来て命拾いをしたことがあります。そんな「探す」アプリの素晴らしいところは、目的が「探す」ことであり、一言で言えることです。これほど強烈に目的を理解させられるアプリはなかなかありません。
私は財布にAirTagを入れています。Appleのデバイスとまとめて「探す」アプリで管理できるため、忘れ物をしやすい方は試してみてください。
明日は朝から釧路です。また来週。