今週はご縁があり、殿上人のような方と食事をする機会に恵まれました。本当に貴重な時間を割いてくださり、先方にも、繋いでくれた方にも心から感謝をしています。
相手は多くの従業員を抱える会社のトップです。トップの立ち振る舞いについて、私も相手も「社長は全体最適のために自己犠牲を払うポジションである」と考えていることがわかり、親近感を持ってお話しすることができました。また、お話の中で「社長と副社長の間には絶対的な距離がある」といわれたことが印象的でした。副社長が代わりを担えたとしても、最後に責任を取れる人間は一人しかおらず、責任の重みに雲泥の差があることを話していて、いつも緊張感を強いられながら仕事をしている方から聞くと強い説得力がありました。
トップとしての心構えや会社の成長のために必要なことなど、いくつかの答え合わせができて自信になりました。私の信じるものを、引き続き貫き通していこうと思います。
今週の本
人生行き止まり日記 - さのかずや
substackを書いているさのくんの本です。いつもsubstackで配信している内容をさのくん自身が編集し、本にしたものとのことです。少しだけ読んでみようかなと手に取ったが最後、夜から勢いで読んでしまい、すごい時間になりました。一人の人生の中の一年が、悩み苦しみながら手触りのある言葉で書かれています。一番好きなのは次の一文。
なんとなく「みんなでピザでも食べたいね」と妻に話したら「みんなって誰よ」と笑われた。
何気ない一文ですが、こういう誰かの人生の何気ない一風景を覗けるところが一番面白いです。SNSが汚れて面白くなくなった今の時代、こういう誰かの着飾らない普段の生活が見られること自体に高い価値があると思います。
今週の写真
ポーラミュージアムアネックスで開かれている鈴木ヒラク「海と記号」の展示を見た際の写真です。絵の大きさが巨大で、色使いに統一感があり、現代版日本人のマークロスコかと思うくらいの迫力の良さでした。108通目で紹介したクリントの作品のような、連作で統一感のある作品が好きな人は楽しめると思います。
他の作品でも青と銀という組み合わせが使用されていることが特徴的でした。
今週の音楽
Godspeed You! Black Emperor - Yanqui U.X.O.
今週は大好きな轟音ロックバンドです。2002年にリリースされたアルバムで、5曲になっていますが、実質3曲で74分です。長尺好きにはたまらないアルバムです。これまで8枚のアルバムが出ていますが、このアルバムが一番好きです。
GY!BEのアルバムの中でも一番攻撃的なアルバムです。聴きすぎました。GY!BEは別のアルバムが名盤だと取り上げられることが多いのですが、私は圧倒的にこのアルバムを推します。3曲目の「マザーファッカー=リディーマー」の近づいてくる轟音は唯一無二です。
今週の映画
プリズナーズ(2013年)10点中8点
教皇選挙(2024年) 10点中9点
『教皇選挙』の完成度が高い。113通目で紹介した『西部戦線異常なし』と同じ音楽家が音楽を担当しています。リアリティのある素晴らしい映画でした。「確信をしてはいけない」という主人公の説教が沁みました。気になる方は映画館で見てみてください。
映画とは直接は関係ないのですが、教皇のことを調べていると、教皇は「神のしもべのしもべ」と言う敬称を持っているとのことです。信仰する人々は「神のしもべ」であり、教皇はそのしもべである人々にすら仕える者であるという、極度にへりくだった言い方で使われるとのことです。
この「しもべのしもべ」という表現は、今の私の立場に重ね合わせられるものがありました。社長だから偉いという訳ではなく、社長はあくまで役割で、社員のみんなに気持ちよく働いてもらうために仕えているのが私です。「社長は全体最適のために自己犠牲を払うポジションである」と考えている私にとって、「しもべのしもべ」と言う言葉はしっくりくるものがあり、教皇の立場や立ち振る舞いに強い興味を覚えた映画でした。現実世界でのコンクラーベで選ばれる人が楽しみです。
以上。
新潟の友人が読み続けてくれていることがわかり、嬉し恥ずかしな週でした。いつもありがとう。おやすみなさい!良い夜を。
ご紹介ありがとうございます!!本売り切るぞ〜〜