今週は月火水と働きすぎて、途中で体調を崩し、木・土は一日寝込んでいました。木曜日が祝日で何とか金曜日は出られましたが、良い年頃なので睡眠時間の優先順位を上げようと思いました。
会食時のお店のおばさんに名前を覚えられて驚いたり、先方の重要なポジションの担当者が突然退職することに動揺したり、顧客との会食で自社が評価されていることを知り誇らしくなったり、先方の重役が何気ない会話をほとんど覚えていたことに驚いたり。今週も山程色んなことがあるとてつもなく長い一週間でした。
顧客におすすめされたゲーム「都市伝説解体センター」をクリアしたり、社員におすすめされたゲーム「ヨット(遊び大全の中の一つ)」にハマったり。人におすすめされたものを楽しんだ週でした。
推薦への反射神経
人におすすめされたものを試す、いわば「推薦への反射神経」は私が大切にしていることの一つです。お店でも本でも映画でも、自分の知らないものをすることへの負荷はありますが、人がおすすめしているからにはハズレは少なく、自分の視野を広げるための一番手っ取り早い方法です。そして、薦めてくれた人との共通の話題が増え、共にものごとを進めやすくなります。
おすすめされたものを試し、試した結果を伝えること。おすすめした方も嬉しくなりますし、良さを言語化するきっかけにもなるので記憶に定着しやすくなります。
「一週間同じものを食べるという予備動作( 98通目 )」を試してみたことも、教えてくれた方に伝えたところ、すごく興味深く喜んで聞いてくれました。おそらく、私のようにすぐに試した人があまりいなかったのでしょう。うなぎを毎日食べた人という記憶は強烈に残るはずです。
推薦されたものを始める負荷が高ければ高いものほど、推薦された側との距離感が縮まる傾向にあります。「おすすめされたもの、結局全然試したことがない」という方でも、まずは簡単ものから試して、結果を相手に伝えてみてください。きっと良いことがあるはずです。
今週の本
百年の孤独
社員におすすめされた本、百年の孤独。あまりに読みづらく、仕事の忙しさも相まって読了に2ヶ月くらいかかりました。読み終えた最初の感想は、一体これはなんだったんだという困惑と、最後まで行けたことへの満足感でした。
前知識なしで本を読んだり映画を見たりすることが好きで、本当に何も知らないまま読み始めましたが、同じような人の名前と読みづらすぎる文体に何度も心が折れかけました。「俺の読書スキルが低いのか?」と感じていたら、文学部の教授も全く同じ感想を持っていたので安心しました。
読み終えた後に見つけた上記のリンクは、百年の孤独をよりよく理解する上で役立ちました。『マジックリアリズム』というジャンルに位置付けされるそうで、普通の文体の中に普通ではない話が出てくるので、登場人物が「木に巻きつけられたり?」「壁を食べたり?」「黄色い蛾に追われたり?」するたびに、読む手が止まります。突っ込んだらそこでおしまいなので、文字通りの状態を想像するしかないです。本の中の世界を想像する体験(上のリンクでいう「想像力・創造性=虚構性」)が相当に求められます。
あんなに読みづらかったのに、読み終えたら不思議ともう一度読みたくなる本、百年の孤独。「読みやすさに溺れた現代人へのアンチテーゼ」として、短い動画やAIの文章に疲れた方におすすめしたいです。人間にしか作り出せない輪廻の呪縛をとことん味わえます。
もし気になったら試してみて、感想を教えてください。あまりおすすめはしません。笑
今週の写真
東京国立近代美術館で行われているヒルマ・アフ・クリント展で撮影した写真です。サムネイルにも選んだ『10の最大物』の迫力が凄まじいです。クリントが「楽園のように美しい10枚の絵画」を作るという神の啓示を受けて、それから2ヶ月のうちに作成したとのことです。展示室の展示の仕方もよく、10個の連作をぐるぐると見回ることができるようになっています。
下の絵画は、『神殿のための絵画』シリーズの最上階の塔にある祭壇の間に飾られることを想定した集大成の位置付けである絵画です。あまりに人が混んでいたため、一人になる時間を持つために30分待ちました。
抽象絵画の先駆者として近年再評価されているというクリントの大個展はアジア初となるそうです。休日ということで非常に混んでいましたが、作者の一生を知ることができる良い展示でした。余裕があればもう一度見たいです。
今週の音楽
Symbiosis - Annē, Sera J
今週は踊れるゴリゴリのテクノです。ギリシャのテクノシーンを代表する Annēアンネのアルバムです。
Annēと、ブエノスアイレスの女帝ことソルオルテガのb2bプレイの動画を子守唄にしていました。この動画はドイツで行われているフェス、ストーンテクノフェスティバルのもので、会場のツォルフェアアイン炭鉱業遺産群は、12年くらい前に訪れたことがあります。無機質な会場はまさにテクノ向きで、ここでフェスを開催することを考えた人に敬意を表したいです。
熟練の二人が織りなすこのプレイ動画、会場の雰囲気も相まってかなり良いです。娘にはこういうDJになってほしい。
毎日のようにAIをフル活用する時代だからこそ、百年の孤独のような「読みやすさに溺れた現代人へのアンチテーゼ」が香ばしく感じられます。「良いモノづくり」を会社で一番体現できる人間であり続けるため、人間の手仕事の良さを肌で理解し続けたい。
おやすみなさい。
Nice artwork