今週もさまざまなことがある週でした。話題に事欠きません。臨時の株主総会と取締役会があったり、大切な会食のご飯がいまいちで会食場所は自分で選ぶべきだなと思ったり、施設のオープニングパーティに参加したり、障がい者雇用の難しさを感じたり、重要な打ち合わせが重なってたり。重要な契約の一言一句に責任をもつためじっくり読んで交渉したり。社外の人と朝食の打ち合わせを入れたり。育休明けの社員とランチにいったり。本当に盛りだくさんでした、一日が長過ぎる。
全社に呼びかける勉強会
今週は、新たに企画した「月に一度行う、全社員が任意で参加可能な勉強会」の初回日がありました。このイベントは「ものづくり勉強会」と銘打ち、「私から声をかけた2人に、ものづくりに対する姿勢をプレゼンしてもらう」という内容です。エンジニアやディレクターなど、各職種ごとの勉強会は多々あれど、全社員を対象にする勉強会は初めての企画です。今の会社の規模では、全社員を動かすイベントは、たとえ任意参加にしたとしても始めるには覚悟が必要です。もし仮に全員が参加してくれたとしたら、170人以上の貴重な1時間を使うことになります。それに見合うものか、本当に意味のあるものか充分に練り、企画をしました。
私の会社の存在理由のひとつは「良いものを作り届けられること」だと信じています。しかし、「良いもの」は定量化しづらく、言語化も難しいです。「良いものを作ろう」と呼びかけるだけでは、「良いものってなに?」「じゃあどうしたらいいの」という声には答えられません。私はこれまで「良いもの」を何とかして言語化し、「良いもの」が作れる会社だというブランディングを強めて社内外に届けていくためにさまざまな形で奔走してきました。
今回は、そのうちの社内に向けた企画です。良いものづくりに全力を注いで会社を支えてくれているメンバーの声を、プロジェクトに関わる人達だけでなく、総務や採用、経営企画の人までも聞けるようにして、会社全体で良いものづくりに向わせようと考えました。「良いもの」は人によって異なるものだと認め、活躍しているメンバーそれぞれの形で思う良いものづくりについて話してもらいました。
第一回目の開催は手応えがありました。社員の7割近くが参加する中、始めに選出した2人のものづくりに向かう話は、多くの社員の心を動かしたようです。私だけが「良いもの」を作るための姿勢や心持ちを語っても「社長はそういうけど結局現場ではなあ」「理想と現実は違うしなあ」と思われるかもしれません。しかし、私よりも身近な立場にいて、周りから見ても活躍しているメンバーから語られた言葉は、「良いもの」をつくることをより身近なものに感じられたのだろうと信じています。
会社全体の心をデザインする。デザイナーらしいアプローチで始めた施策です。良いものづくりを行える会社の新しい文化にするため、優先度を上げて継続していきます。
今週の写真
西船橋のギャラリー「 Kanda & Oliveira 」で行われている「 福田尚代 ひとすくい 」展を観に行きました。このギャラリーは初めて行きましたが、オシャレな一軒家のような形のギャラリーで、日の光が綺麗に入り込む素敵な空間でした。また行きたくなる、好きなギャラリーの一つになりました。
写真に写る床に置かれた作品は、全て消しゴムを彫刻したものです。圧倒的な量と緻密さは心に訴えかけるものがあります。作家がひとつひとつの消しゴムに向き合う姿を想像するだけでも見ごたえがありました。
福田尚代さんは、消しゴムを次のように表現しています。
言葉や背景を消すことで自らも消滅していく存在の消しゴムは「この世界ではない別の場所」へ繋がる入口だ
身近なものに新たな視点を与えてくれる芸術家の尊さを肌で感じられる素晴らしい展示は6月29日まで。おすすめです。
今週の音楽
Jlin - Akoma
Jlin ジェイリンは、前回紹介したμ-ziqと同じレーベルである Planet Mu に所属をしています。ジェイリンの1stアルバムの「Dark Energy」は、いくつかのメディアで2015年のベストアルバムに選ばれています。
今回紹介するのはジェイリンの3rdアルバムです。タイトルの「Akoma アコマ」は、概念や格言を表すガーナの文字「 アディンクラ記号 」の「心( heart)」に由来しています。日本語の文章でこのアルバムタイトルについて触れているのはこのメルマガだけかもしれません。
1stアルバムも2ndアルバムも良いですが、3rdアルバムでより高みにいきました。ジェイリンの良さはそのままに、聞きやすくなりました。どのアルバムでも共通しているのは、複雑なリズムと変化し続ける無駄のない削ぎ落とされた音です。
今週のアプリ
Be My Eyesは、視覚障がい者や低視力者のために作られたアプリです。視覚障がい者や低視力者はこのアプリを通して「ライトが点灯しているかどうか確認すること」や「色を合わせること」、「賞味期限を調べること」まで、ささやかな依頼をすることができ、全世界のボランティアが答えることができます。
このアプリの素晴らしいところは、実際に電話がかかってくるデモを確認できることです。ボランティア側で登録すると「通話に応答するための方法を練習します」ボタンがあり、これを押すと「電源を切ると通知が来る(iOS)または電話が来る(Android)」画面に移ります。「電源を切る」ことをトリガーに通知を行うアプリを初めて体験しました。これは良く出来ている。簡単に体験でき、人に教わらなくても使えるようになる、素晴らしい体験です。
今週の映画
マッドマックス( 1979 ) 10点中10点
マッドマックス:2( 1981 )10点中9点
マッドマックス:サンダードーム( 1985 )10点中8点
マッドマックス:怒りのデスロード( 2015 )10点中10点
マッドマックス:フュリオサ( 2024 )10点中8点
4作目に当たる『怒りのデスロード』だけ見たことがあり大好きだったので、映画館で『フュリオサ』をみるために全部見直しました。まさかの1作目がとてつもなく面白かった。冒頭数分で車を車が突き破り、『1からマッドマックスだったんだ!』と興奮しました。一番怖いのは1。現実に近い時代背景で警察の力が意味をなさない状況が怖すぎる。2から急にリアル『北斗の拳』のような時代背景になるので、お笑い映画として見られます。
5作目にあたる最新作『フュリオサ』では、空を飛び始めたときには思わず笑ってしまいました。何でもありのこれぞ映画と呼べるエンターテイメントです。興味をもったら4作目『怒りのデスロード』を見てみてください、しなる棒攻撃には興奮せざるを得ません。
『樅の木は残った(下)』を読んでいます。面白すぎて読み終えたくね〜
おやすみなさい!