忙殺の夢十夜
とにかく忙しい一週間でした。朝から晩までよりよい会社にするために奔走しても、長期的に効果が出る施策ばかりで短期的な売上には繋がらず、自分が何をしているのか従業員には共有できないことばかりで、歯痒い気持ちになります。
公の場で人と話す方法
毎週開いている勉強会で、元アナウンサーの方をゲストにお招きしてお話してもらいました。
私は全社向けの月次報告会や社外向けの講演会など、人前で話す機会が多くあります。コンプライアンスを大事にする今の御時世もあり、毎回慎重に言葉を選んでいます。それでも言葉を誤ったり、詰まったりすることがあり、後悔ばかりしています。こうした体験から、アナウンサーという毎日のように不特定多数の方向けに言葉を発する人が普段からどのようなことを気をつけているか、尋ねてみました。
前提として、「アナウンサーは自分の意見を述べることが少なく」「大抵は原稿がある」ということを話したうえで、次のことに気をつけていると話してくれました。
-
話題のトーンを意識
明るい話題を話す際には明るい様子、暗い話題を話す際には暗い様子で話し、言葉だけでなく表情や姿勢など、全身でトーンを表現します。申し訳無さそうな態度や、毅然とした態度など、選ぶ言葉以上にトーンが求められる場面が多くあります。
詳しくなる
話すべき話題が決まったら、そのことについて調べ上げ、詳しくなる。アナウンサーは当日のお昼や夕方に事件が起きたら、夜にはそのことについて話さなければなりません。毎日がマラソン状態と表現していましたが、すぐに話題の事象に詳しくなるよう努めることで、事実を間違えて話したり、トーンを誤ったりすることを避けられます。
時事に関心を持つ
毎日調べる時間があるとは限らず、また、自分の関心がないことに自信をもって話すことは難しいため、日頃から時事情報を収集し、自分の考えをもつことが必要です。
-
自分の行動を思い浮かべながら考えると、私が失言をしたり自信をなくして話しづらくなるときは、2を満たせていない事が多そうです。社長は会社のことを広く何でも知る必要がありますが、私はデザイナーという職種柄、どうしても細かいところに目が行きがちで、効率よく俯瞰的に情報取得することが苦手です。物事を大枠で捉え、全体像として詳しくなれるよう、引き続き訓練していこうと思います。
そうして、話し方は結局カーネギーに行き着いてしまうので、基本を忠実に守り抜いていくしかないということが分かりました。自信は周到な準備から。
今週の写真
ポーラミュージアムアネックスで行われている久保寛子展「鉄骨のゴッデス」を観ました。銀座で打ち合わせを終えた後、昼食の時間に寄りました。隙間時間にギャラリーに寄れるほど近いところにオフィスがある相手方が羨ましいです。私欲を反映できるなら、いつか美術館の近くに会社の拠点を構えたいです。
会場全体に工事現場で使用されるようなプラスチックネットが張り巡らされており、普段のポーラのギャラリーの雰囲気とは大きく変わり、見ごたえがありました。
ついでに、キャノンギャラリー銀座で行われている若山美音子写真展「遠い呼吸Ⅱ」を観ました。写真家は日本名ですが中国四川省成都市生まれの方で、写真の切り方もどこか海外の人が日本を見るような雰囲気が漂う作品でした。
塀から顔を出したおじさんの写真が特に良い。
今週の音楽
古風Ⅲ - 冥丁
初めて聞いた時、まだ存在しないジャンルの音楽を作れる人がいることに強い衝撃を受けました。洗練されきった和風アンビエントエレクトロニカです。良すぎる。「夢十夜」と「婦人」が特に良いです。ストイックに音楽制作に向き合い続けた結果の、孤独が生み出した嘘のない美しい音楽です。他のアルバムも全部いい。
冥丁がどのような人で、このような音楽を奏でられるようになるまでどのような時期を過ごしていたのかは、こちらのインタビューを御覧ください。こういう人が音楽の歴史を塗り替えていくんだと思えます。孤独と京都は、敬愛するアーティストの竹村延和を思い浮かべました。
今週のアプリ
SLAM DUNK Talkin'to the Rim ( iOS Android )
このアプリでは、スラムダンクの主人公である桜木花道がひたすらシュート練習をしている姿が見られます。2も存在しており、こちらでは宮城リョータが見られます。
目的は一つ、ただ見るだけ。だからこそウェブではダメで、ただ見たいときにすぐ立ち上げられるアプリが適しているんだと思います。スラムダンクを知る人ならきっと嬉しくなれる、のんびりとした気持ちになれるアプリです。
今週の映画
2001年宇宙の旅( 1968年 ) 10点中10点
色んな映画を何度も見るようになり、久しぶりに名作を見直しました。これまで観てきた他のどんな映画と比べても、画角も技術も音楽も内容も一切遜色なく、どうしてこんなにも有名なのかようやく理解できました。キューブリックは天才過ぎる。
一番印象的なのは、HALが乗組員の唇の動きを読み取る場面。怖さを引き立てる恐ろしい場面です。顔も体もないHALをここまで豊かに表現できるキューブリックの描写力には脱帽しっぱなしです。たくさんの映画を見た人にこそもう一度観てほしい映画です。
明日は朝イチ10時から大事な打ち合わせ。
今週も頑張っていきましょう!よいGWを!
エキセントリックな時代、時計じかけのオレンジにめちゃめちゃハマり、2001年宇宙の旅は観ながら寝てしまったのですが、いま観るとぐっとくるかもと思いました