35通目
再び上場を目指し、悩まされ続けた資料ともう一度対面する時が来ました。覚悟を決めます。
新潟から関東に移動する間に寄り道して、群馬に住む契約社員に会いにいきました。計画的に時間の余裕を作れたからこそできた、自分にしか出来ない仕事だと思えました。自分が信じる仕事の進め方を続けます。
筑波大の授業に向けたキックオフがありました。デザイナーではない工学部の学生に向けて、デザインシンキングの考え方を伝える全5回の授業です。富士通のデザインセンターの方々と毎年行っています。
某高専向けの授業をオンラインで行いました。Zoom越しで見ても寝てるとわかる学生、聞いてない学生が多いことが分かり、本当に辛い時間でした。最後の感想では「(オンラインで一方的に聞くだけだから)話が面白くなかった」とまで言われ、完全に心が折れました。授業後、しばらく放心状態でしたが、冷静になって、確かに話した内容は昔の資料の焼き直しや付け足しが多く、良いアップデートができていなかったのではないかと心から反省しました。高専生が正直で良かったです。次は資料をゼロから見直して、今回をきっかけに話のレベルを一段上げていこうと誓いました。
授業の話ばかりですが、授業以外の話が外部にかけないものばかりなので授業の話が目立つ週となりました。
まちづくりのワークショップに参加
私が住んでいる街は、公・民・学の連携が構想に掲げられている比較的新しい街で、住民が街づくりに参加できる機会が数多く提供されています。
私はこの街に8年ほど住んでいます。移住当初はまちづくりのイベントに積極的に参加していましたが、仕事が忙しくなるにつれ頻度は減り、社長就任後は仕事でいっぱいで、一切参加しなくなりました。
日々の生活に余裕が出てきたのか、たまたま目についたイベントに参加したい気持ちが高まり、久しぶりにまちづくりに関するワークショップに参加をしてきました。
「いま人生で一番大切にしているものは何か」
今回のワークショップの目的は「スマートシティの現在地と目指す未来を学びながら、自分が求めている暮らしや自分自身について深く考える」ことで、レゴのシリアスプレイのメソッドを用いて行われました。シリアスプレイについて詳しくはリンク先を見てもらいたいですが、簡単に説明すると「うまく言えない言葉をレゴを用いて伝える」メソッドです。
事前に応募した住民の中から抽選で絞られ、当日は15人程度の人が集められました。始めにレゴのシリアスプレイに慣れるためのアイスブレイクのプレイがあり、慣れてきたところで本番に移ります。私は普段の仕事ではファシリテーション側になることが多いため、参加する側に回ること自体が新鮮でした。
与えられたお題をレゴで表現し、組み立てたレゴを使って他の参加者の前で即興で自分の考えを説明をします。始めのお題は「いま人生で一番大切にしているものは何か」。普段聞かれることのない人の本質をつく質問をされ、パッと自分の頭に出てきた言葉は「自己鍛錬」でした。
いま自分が一番求めていることは自己鍛錬
これまでの人生ではデザイナーとしてとにかくアウトプットを重視して暮らしてきました。社長になり慌ただしく日々が過ぎる中で、自分に求められていることは確固たる意思、ぶれない強い芯を持つことだと感じるようになりました。ただ、社長として生活しているとあまりに刺激が多く、生半可な気持ちでは太刀打ちできません。いかなる衝撃にも耐えうる、強い芯を身につける必要があります。
自分が一番信じられるものを見つけるため、知識を溜め込み、一人で考える時間を重要視するようになりました。仕事柄、弱みは人に見せづらく、相談しづらく、最後に頼るものは自分しかいません。「経営者は孤独」とは良く言いますが、ようやくその意味が分かるようになりました。
経営者は孤独になるべきで、誰よりも会社について一人で考える時間を持つこと。それを、私は自己鍛錬と表現しました。この後、理想の街についてレゴで語る時間が続きましたが、私は自分自身が「自己鍛錬」を求めていることに気がつくきっかけになったことが一番の収穫でした。勢いで参加したワークショップに感謝しています。
ちなみに、ワークショップでは参加した人の「職業」や「職種」などの素性は明かさないため、参加者は「この地に住んでいる」ということしか分かりません。見た目と話す内容で推察はできますが、高校生から老人まで参加者が一住民として平等に扱われるワークショップは新鮮で、また機会があれば参加したいと思えました。
今日の写真
群馬に寄る際に、ハラミュージアムアークに訪れた時の写真です。新潟から早起きして朝イチで美術館により、何食わぬ顔で次の予定に行きました。睡眠時間の削りすぎで早死にしそうです。
2021年に閉館した品川の原美術館と提供している作品が似ていて(宮島達男、森村泰昌、奈良美智)、懐かしさがありました。原美術館の須田悦弘さんの作品が大好きでしたが、須田悦弘さんの作品はなく残念でした。
今日の音楽
Gentle Confrontation - Loraine James
ロレイン・ジェイムスの最新アルバムです。このアルバムは『人間関係(特に家族関係)、理解、そして少しの優しさと気遣い』がテーマになっているとのことです。9通目で紹介したロレインジェームスの別名義のアルバム「Whatever The Whatever」と合わせてご視聴ください。
今日のアプリ
Blackmagic Camera ( iOSのみ )
素晴らしいビデオ撮影アプリが出ました。Blackmagicdesignというハイエンドのビデオカメラを販売している会社が出した、無料アプリです。こんなに多機能かつ高機能なアプリが無料でいいのかと感じてしまいますが、使い続けているとBlackmagicdesignの製品自体が欲しくなってくるので良い宣伝効果がありそうです。
多くのメディアで取り上げられているこのアプリ、私が一番良いと感じている所は「タブバーのメニューボタンのMedia、Chat、Settingsをタップしてそのメニューに移った後、もう一度押すとCameraに戻る」ことです。
上の挙動は、普通のアプリであればNGと取れる実装です(良くあるパターンはそのメニューの一番上の階層に戻るパターン。それぞれのメニューごとに階層が用意されている際に便利な挙動です)。しかし、ビデオの撮影となると突然良いカットが目の前に現れて、慌てて撮影することがあるかもしれません。そのような時も、大事な撮影画面にすぐ戻れるような工夫なのかもしれません。本当に細かい所ですが、実際に外で撮影を何度も試していると、この挙動が気持ちよくなり、常識が覆された気持ちになりました。
カメラに詳しくない人に良いビデオカメラは何かと聞かれたら、私はしばらくの間は「iPhone 15Pro Max + Blackmagic cameraアプリ」と答えることになりそうです。
以上、おやすみなさい、良い夜を。