のんびりした週、25通目
世の中がお盆で、顧客も社員も夏休みを取る人が多く、ゆったりとした1週間でした。打ち合わせも少なく時間が取れたため、知人にオススメされた本「欲望の見つけ方」を読みました。
読み始めると、タイトルと装丁の印象からからだいぶ離れたような内容で、大きく印象が変わりました。「お金・恋愛・キャリア」、サブタイトルをつけた人は訳した人は中を読んだのか疑う内容でした(確かに冒頭で一言触れてはいるが、そのサブタイトルを選ばずにもっと書くことがありそうな)。
欲望について新しい視点をくれる本ですが、ひたすら読みづらさを感じました。多くの例えが出て来くるのですが、日本人だと触れている人があまり多くなさそうなアイン・ランドの話であったり(「ジョンゴールトって誰?」を知ってること前提の話)、コーエン兄弟のビッグリボウスキの登場人物だったり、誰もが知っているという論調で話が進み、毎回検索しながら進むことでページをめくる手が遅くなり、だいぶ時間がかかりました(ザッポスのラスベガスの計画だけで30分以上調べてしまいました)。あまりオススメしません(気になる場合は要約サービスなどを使用されてみては)。
充足の物語
「充足の物語」という1パートで、著者であるルークバージスが面接の時に尋ねる質問に触れています。
「人生で何かをやって、それで満たされた時のことを話してください。」
この質問を行うことで、人の本質に切り込めるとのことです。核となる動機づけの原動力を探るために、何に満足することを一番求めているのかを知る質問になります。
私も同じことを質問しているため、驚きました。
どのビジネス本も結局、孔子の論語に戻ってくる
私は最終面接の質問で毎回、相手が何に満足するかを尋ねています。まさに、その人がどういう人か知ることができるからです。
私が満足について尋ねる理由は、孔子が論語で説いた人を見極める際のポイントから来ています。相手がどのような人か、その本質を見極めたいときには最適です。
視其所以、観其所由、察其所安、人焉廋哉、人焉廋哉
「その人がどう行動するか、何をよりどころにしているか、何に満足するか。この3点がわかったなら、その人の本質ははっきりする。決して隠せるものではない。」
儒教に傾倒している訳ではないですが、論語の本質の的を射る力は圧倒的です。いくつも本を読んでいる中で気がつくのは、どのビジネス本も、結局は遡ると論語と同じようなことを言っているものばかり。今回の話が1回目ではなく、これまで何度も「これ論語と同じこと言ってる」という場面に出くわしてきました。
論語、2500年ほど前に書かれた書物なのに良くできすぎ。他の良い言葉も山ほどあるので、少しずつこのsubstackで紹介していきたいです。
今週の写真
ソニックマニアの近くで展示されていたYOSHIROTTENさんの展示を見に行きました。グラフィックデザインのテイストや展示する場所など、すべてが最高に自分好みでした。ソニックマニア・サマーソニックの会場からそれなりに離れていたため、会場に訪れている人はとても少なく残念でした。もっと多くの人に見てもらいたい、素晴らしい展示でした。
今週の音楽
フライングロータス - Until The Quiet Comes
ソニックマニアで見てきました、フライングロータス。以前来日した時は、ドラゴンボールのコスプレで現れたほどの日本好きで、今回はどんな形で出てくるのかとても楽しみでした。今回は、いきなりTwin peaksのオープニング曲のリミックスで始まり、Twin peaksが好きな私は興奮しっぱなしとなりました。公開されている曲より格好良かった気がするが、爆音で聞いたからかな…
今週のアプリ
先進的なデザインのアプリを提供し続けていたチャンギ空港のアプリが、3ヶ月前に大幅リニューアルされました。元々よくできていたアプリでしたが、今回のリニューアルで一番の評価ポイントは、AIによるチャット機能が深い階層へ追いやられたことです。
元々、チャンギ空港のアプリは iChangiというアプリ名で、ボトムナビゲーションの右下をチャットボット機能が陣取っていました(昔のデザインが見られるPDF)。それが、今回のアップデートにより、アカウントタブのスクロールした先まで追いやられました。
AIによる機能を引っ込めることは時代に逆光しているように見えますが、おそらく使う人が少なかったのでしょう。一度流行りには乗ったものの、ユーザーの動向を見て必要なものの判断を毎回行えるアプリ開発陣に敬意を表します。
また来週。おやすみなさい。
来週はお盆明けで、忙しくなりそうです!