コロナ病み上がり、23通目。
週の前半は本当にボロボロで、生きることがやっと、他に何もできない毎日を過ごしていました。4日間ほど高熱が続きました。この週は会社で関わりのある長岡花火大会が新潟で行われるにも関わらず、まさかの青森から出られない事態になってしまいました。自分がお呼びしたお客さんに挨拶することもできず、仕方なく他の社員にお願いすることに。自分が行かなくてもイベント行事が滞りなく進むことへの不安と喜びが入り混じり、落ち着きなくソワソワして過ごしました。
今は無事に自宅に帰ってきましたが、コロナで失った味覚が戻らないためbasefoodを大量購入しました。味覚がないと食欲が湧かないため、こういう時こそ完全栄養食はうってつけですね。
デザイン経営についてのセミナー登壇
先週、イベントでの登壇がありました。デザイン経営に関する内容で、私は自社におけるデザインの役割やデザインの広義での意味、デザイン経営の定義など、90分に渡る少し長めのお話をさせて頂きました。
最近になって巷で叫ばれるようになったデザイン経営。15年前からデザインに命をかけてきた自分からすると、ようやく時代がデザインの大切さに追いついてきたなと感じています。経済産業省・特許庁が出しているデザイン経営宣言によると、デザイン経営と呼ぶための必要条件は下記のように定められています。
1. 経営チームにデザイン責任者がいること
2. 事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること
どちらも、普通の企業で成し遂げようとすると相当に難しい。特に長く存在する企業であればあるほど、どちらも受け入れ難い内容であることは容易に想像がつきます。そのような中で、私の会社ほどデザイン経営を語る上で適する会社はないのではないかとも感じています。150人を超える規模の会社で、社長がデザイナーであることは、上の1と2の必要性があってこそ成り立つ経営だからです。
「シンプル」という言葉を使わない
デザインを知らない人、普段デザインに携わる機会が少ない人から『デザインを知るにはどのようなことをしたら良いですか』と尋ねられたときには、「シンプル」という言葉を使わないことだと答えています。私はシンプルという言葉を使わないことを常に意識して過ごしていますが、これは想像以上に難しいことです。
シンプルという言葉はあまりに多くの意味を含みすぎていて、簡単に使えてしまう反面、多くの場合はデザインにおける相互理解の機会を阻みます。シンプルという言葉を避けると、物事を正しく見る、説明する力を養うことができ、デザインを理解することにつながります。例えば、シンプルは「余白がある」ことかもしれないし、「飾りがない」ことかもしれない。「色数が少ない」ことかもしれいないし、「選択肢が少ない」ことかもしれません。私自身がデザインのレビューをする際には、シンプルの意味の一つの「構成要素の数が少ない」ということばをよく使います。
セミナー内で「シンプルという言葉を避けてみてくださいね」と話したにも関わらず、終了後のアンケートでは下記の内容でコメントを頂きました。
すごくシンプルな言葉での説明が非常にわかりやすかったです。
嬉しいんですけどね。笑 簡単に使える言葉だからこそ、無意識のうちにシンプルを使ってしまいます。この場合置き換えるとしたら『すごく簡易な言葉で』が適切ですね。私はプレゼンの際は、誰でもわかるような、優しく易しく親しみのある表現を用いるよう心がけていました。
アンケートの内容は概ね好評で、外でデザイン経営について語ることへの自信にもつながりました。これまで私は外での登壇をなるべく控えてきましたが、私がお話しすることがデザインに対する価値観の向上に繋がるのであれば、少しずつ話す機会を増やしていきたいと考えています。
今週の写真
ねぶた祭りを観に行った時の写真。体調が回復してきた時に、近くでねぶた祭りが行われることが分かりました。社員が長岡花火で頑張ってる時に一体私は何をしているんだと思いムシャクシャしながらも、せっかくの機会ということで観にいきました。
ねぶた自体は検索すればたくさんの画像が出てくると思いますが、巨大なねぶたのその下には大勢の人がいます。人力で動く巨大なねぶたの熱と迫力を感じられたのは良い機会でした。また機会があれば見てみたい祭りです。
今週の音楽
Aphex twin - Blackbox Life Recorder 21f
世界中のテクノリスナーに影響を与えた伝説的なアーティスト、Aphex twinの新譜です。本当に良い。少し聞けばすぐ分かる、紛れもないAphex twinにしか作れない曲に心躍ります。昔VJをやっていたこともあり、エイフェックスツインとクリスカニンガムの共作が大好きで、アルカとジェシーカンダの共作に二人の面影を思い出さずにはいられません。どちらも最高の組み合わせです。最近はクリスカニンガムの作品の話題を耳にしませんが、新しいエイフェックスツインのアルバムのMVを手がけてくれたら嬉しい限りです。
今週のアプリ
行けなかった長岡花火を裏で支えている、長岡花火公式アプリ。いくつかの機能がついていますが、その中でも一年にたった4時間しか機能しないプログラム機能をご紹介します。
花火が打ち上がる際中、写真にもあるように打ち上がる花火にピンク色のマーカーがつきます。そこまでは普通ですが、この機能には大きな工夫が仕込んであります。長岡花火大会はリアルタイムのイベントにつきもので、毎回数分の時刻のずれが発生します。長岡花火公式アプリでは当日の実際の時間に合わせ、リアルタイムで打ち上げ中のマーカーがずれる機能が付いています。アプリ開発メンバーが当日現場で時刻を確認し、リアルタイムで挙動を変更しています。地道な努力の上で成り立つこの機能、多くの人に味わってもらいたいです。
今年は長岡花火が終わってしまったためもう確認することはできませんが、来年の8月2日19時になりましたら、見てみてください。
味覚は戻らないし、咳はまだまだ出ます。
来週中には治ると良いなあ。また来週。