167. Memory Overdrive
無理が効くのはあと二年。
今年はひどいゴールデンウィークでした。一日だけ自由に動けたものの、それ以外は娘からもらった風邪で発熱し、ずっと床に伏せていました。「子からもらった風邪は長引きやすく、重症化しやすい」と話には聞いていましたが、それを初めて体験し、思い知らされました。体調はまだ完全ではなく、こんな風邪を頻繁にうつされたらたまったもんじゃありません。世の中の親はすごい。
ゴールデンウィークの間の平日の二日間では、日帰りで岐阜に行きとんぼ返りして対面の会議に出るような、病み上がりには厳しいスケジュールでした。ようやく土日でちゃんと休めたので、明日には全快していることを祈ります。
30代後半の処世術:無理をする
客観的に見ても成功している、数個年上の先輩経営者から助言を受けました。「40代になると物理的にも無理が効かなくなるので、30代後半にもう少し努力しておけば良かった。今のうちに無理してでも頑張っておくと後悔しないよ。」私は今37歳で、次の7月で38歳になります。いよいよ良い年になりましたが、今こそ人生最後の無理をして、努力をすべきタイミングのようです。数個離れている先輩の助言が現実味があって、胸に響きました。
あとで後悔しないよう、家族のせいにもせず、もう一段階、力を振り絞ります。質だけでなく、量も稼いでいけるように可能な限り努力します。
大変なことだらけで挫けそうな日々ですが、諦めそうになったら、今日書いたことを思い出して、もう一歩踏み出せるよう努めていきます。がんばろ。
今週の写真
水戸芸術館で行われている「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」を見た際の写真です。展示室では入口に壁が置いてあり、その壁を押して中に入ったり、壁からロープが出ていてそれを引っ張ったり、ハンドルがついていてそのハンドルを回したりすることができる、体験型の展示です。その行為の先に何が起きるかは、自分で想像したり、調べて見つけたりする必要があります。展示タイトルの通り、その展示を体験してしばらくすると何かの仕組みを発見をすることができ、それを楽しませてくれるような展示となっています。
中には展示室内のロープが、水戸芸術館のシンボルでもあるタワーにぶら下がっているリュックサックの動きと連動しており、ロープの動きに合わせて上下に動くといったような、誰かが触っていないと気がつけないような仕組みもあります。
あえて遅れて気付きを得させる。普通には考えつきもしない、思いもよらぬ出来事を体験させてくれる素敵な展示でした。
今週の音楽
Azikazin Magic World - Memory Overdrive
下の動画を見て、開始7秒で好きになりました。韓国のアーティストユニット、Azikazin Magic Worldです。人力ドラムンベースを演奏しているのはメンバーの一人のLionclad( ライオンクラッド )です。Lionclad単体のプレイ動画はYouTubeにもいくつも上がっています。
今回紹介しているアルバムはAzikazin Magic Worldの1st LPとのことで、今後の活躍が楽しみです。
今週の本
キュレーターの殺人
「ワンシントン・ポー」シリーズの三作目。一冊一冊が長めですが、どれも面白くてつい読んでしまう小説です。
本の本筋とは全然関係ないのですが、途中で「ジャマイカ産ブルーマウンテン」という高級コーヒー豆の話が出てきます。
毎年、ひじょうに限られた量が生産され、その大半は日本に出荷されるか、コーヒーリキュールの製造に使われる。これまで飲んだどんなコーヒーよりも口当たりがよく、苦味が少ない - 一日中飲んでもカフェインによる頭痛に悩まされずにすみそうな、そんなコーヒーだった。
コーヒーは好きですが、豆の種類も全然詳しくないまま飲んでいたので、そんな品種があることを初めて知りました。しかもなぜか大半は日本に出荷。小説の中の登場人物は大枚を叩いてイギリスに届けさせているとのことで、せっかく日本にいるなら飲んでみたいと思い購入しました。なんだこれ… 確かに美味しい… どうして日本かというと、日本にはブラックコーヒーで楽しむ人が多く、ブラックコーヒーとの相性が良いことが理由のようです。
小説で出てくる何気ない風景や物事を楽しむことが好きで、「これが飲んでいたコーヒーかあ」と思いながら味わい、楽しんでいます。いつか小説の舞台になっているイギリスの田舎のカーライル地方も行ってみたいです。
今週の映画
ロープ(1948年) 10点中9点
二人の若者が友人を絞殺し、彼の死体を部屋の棚に隠し、その部屋でパーティーを行って、完全な殺人を行うことで自分たちの優位性を証明しようとする話です。
映画全編がワンシーンで撮られたように見える撮影方法をとっているのですが、構図の工夫が素晴らしく、相当練られた上で撮影に臨んでいることが伝わりました。演技と撮影の上手さで80分を乗り切る映画です。見た後にこの記事を読むと、より楽しめます。
今週のアプリ
MUBIは、ロンドンを拠点とした映画ファンのためのユニークな映画配信サービスです。今回紹介するのはそのMUBIのアプリです。
サービス自体が面白く、NetflixやAmazon Prime Videoのような、量を重視するサービスとは正反対で、質の高いキュレーションを武器にしています。映画の専門家が、昔の映画から最新の世界各地のインディーズ映画まで、今見るべき価値のある作品を世界中から選んでいます。
特に面白いのは、昔の古い名作映画であっても、全世界の映画付きユーザーのレビューが見られること。貼り付けたスクリーンショットに掲載しているのは、「他人の顔(1966年)」という日本の古い映画です。さすがにコメントはないかなと思って調べてみましたが、多くのレビューが書かれていて見ていて楽しくなりました。
アプリとして興味深いのは、タブバーのメニューです。Android側は三つのメニューが均等に並んでいますが、iOS側は「いわゆるホーム」と「ダウンロード」の二つがメインで並ぶ斬新な見た目になっています。「教わらなくても使える」迷わないデザインになっています。
基本的に日本語字幕がないため、日本ではまだ流行らなそうですが、日本語対応した暁には、映画好きにはたまらないサービスとなりそうです。供給が過剰なこの世の中では、キュレーターの価値が一段と増します。映画業界では、このMUBIが圧倒的な支持を受けているようです。
無理が効くのもあと二年あまり。
良い40代を迎えるために、残された時間の中で、甘えそうな自分に鞭を打ち、もう一踏ん張り頑張ります。
おやすみなさい。良い夜を。








