友人が会社を止めることにした、12通目
友人の佐野くんが会社の活動を止めることにしました。上のリンクを貼ったnoteと、Twitterアカウントは5月中に消してしまうとのこと。大変残念。
ちなみにnote記事内の網走のレストラン「ホワイトハウス」の写真は、佐野くんに連れて行ってもらった時の写真です。佐野くんと二人でアラスカにいったことがあり、ネタで「アラスカ」というメニューを頼みました。
私は寒くて暗い景色が大好きで、彼の生まれ故郷の近くの北海道の右上に何度も連れて行ってもらいました。北海道の行く先々で様々な人々を紹介してもらい、彼の行動範囲の広さと人脈の広さには毎回驚かされていました。インターネット上で彼と絡むことで、北海道に関係のある人とのやり取りが増えて楽しく過ごせていたので、正直なところとても寂しいです。
このsubstackを始めたのも佐野くんの影響です。substackだけでも戻ってきてほしいなあ。
地方で良い品質を生み出すことの大変さ
noteでは地方である北海道で良い品質のアウトプットを出すための苦労が書かれています。
私の会社は関東と地方である新潟に拠点を置き、拠点の場所で仕事の内容を分けていません。届けるものの種類は違えど、広義の意味では佐野くんと同じことを目指し、彼のいう「上手に手を抜く」ことや「アウトプットよりプロセスを重要視」することを選ばなかった会社です。ひとつひとつのプロダクトを、手を抜かず丁寧に、言うなれば東京レベルの品質のアウトプットで届けていくことを心がけています。今でこそ順調に会社を回せていますが、新潟に拠点を置いたばかりの頃は大変なことの連続でした。振り返ると、地方で高いレベルを保ったまま仕事を続けるには、「会社の規模」と「良い顧客」、そして「関東と地方のどちらにも同時に人がいること」が重要だったんだろうと、今なら分かります。
佐野くんのような少人数規模の会社だと、noteに書かれているようなことは、北海道に限らずどこの地方でも避けられないことだったんだろうと思います。
地方の常識に抗う
私の会社は「地方創生銘柄だ」と見られることが多く、故郷への愛を持つことを讃えられることが少なくありません。しかし、実は私は故郷への愛はあまり強い方ではなく、本当の原動力は「インターネットがあるのに地方の仕事の質と給与が下げられる意味が分からない」というところから来ています。
新潟に拠点を作った当時は「給料を抑えるために新潟に拠点を作ったんですね」と何度も言われました。たった新幹線で2時間の距離で、インターネットがあるにも関わらず、なぜ下に見られて給料が下がってしまうのか。東京に住むことはそんなに偉いことなのか。あの時の悔しかった感覚がずっと残っていて、私の会社では住む拠点で給与体系を分けていません。どの拠点でも、優秀な人の給与が上がる仕組みとしています。今でこそコロナによってリモートが普及し、ようやく時代が追いついてきました。住む場所に関わらずに良い品質のアウトプットを出せる会社にして、地方の常識に抗っていきます。
どこに住んでいても、つくってゆかいに暮らす
彼が力を出し切ったと話すプロジェクトを手に取ってみてください。アウトプットのクオリティを重要視する熱量が伝わります。
佐野くん、一旦お疲れさまでした。北海道を一人で背負うなんて大きすぎだよ。しばらくは次の会社から出るアウトプットを楽しみにしています。
彼が目指した「地方である北海道から良いものを良い形で世に出す」ことを、私も拠点を置く地方で目指し続けます。どこに住んでいても、つくってゆかいに暮らせるようにするために。
今週の写真
GINZA SIXで鬼頭健吾さんの作品を見てきました。カラフルなネオン色のスティックが空間に斜めに配置されることで、軽快なリズムを持つ空間が紡ぎ出されていました。美術作品は、予想だにしない視覚への刺激をもたらしてくれます。
今週の音楽
Tohjiを教えてくれたのも佐野くんでした。「成し遂げて死ぬ」というパンチラインを聴いてから好きになり、追いかけていたところに出てきたKUUGA。今後これよりかっこいいヒップホップのアルバムに出会えないのではないかと思えるほどの完成度。FFKTにTohjiとLootaが出てきた時には感涙ものでした。
今週のアプリ
Actions by Moleskine Studio ( iOS Android )
手帳メーカーのモレスキンが素晴らしいアプリを出していることはご存知でしょうか。モレスキンはイタリアの手帳を売る会社でしたが、今では立派なデジタルプロダクトを手掛けている会社です。
作り全てが美しいtodo管理アプリです。特に素晴らしいところは、誰が使っても綺麗な画面になるように「色のセットが数パターン始めから用意されている」こと。タスクを作成するときに白黒セットか、ビビッドセットか、パステルカラーのセットか選べるようになっています。ユーザーによって何通りもの色選びが可能で、ユーザーごとにバラバラの見た目にすることができ、かつモレスキンの提案する美しい色のインターフェースを選ぶことができます。
有名な某メディアで、私がアプリ紹介を行うコーナーを持つことになりそうです。そちらではもう少し詳しく紹介していきます。お楽しみに。
また来週✌️
あとはまかせた!!